先原 秀和

SAKIHARA HIDEKAZU

アートアベニュー/オーナーズエージェントグループ
取締役
貿易事業、銀行系不動産売買仲介会社、分譲マンション管理会社を経て2002年アートアベニューに入社。オーナーズエージェントでの業務を経て、現在はグループ全体の人事総務、経営企画の責任者を務める。賃貸管理の国際的なスペシャリストが集まる団体IREMの日本支部、IREM JAPANの会長としても活躍。
2023年7月、グループ取締役に就任。
資格 CPM®(認定不動産経営管理士)/ CCIM(認定商業不動産投資顧問)/ 公認不動産コンサルティングマスター / 宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士 / 相続対策専門士 / AFP / 競売不動産取扱主任者

インタビューは2022年1月時点の内容です

変化の中に身をおくからこそ、
アップデートの面白さが味わえる

社内はどのような雰囲気ですか?
私はオーナーズエージェントアートアベニューを含むグループ全体の人事総務、経営企画を見ていますが、グループ内には不動産管理や経営コンサルティング、そして宮古島でのサービス業や飲食業など多彩な業態があり、スタッフの勤務形態も千差万別です。

そういったグループをまとめるのは大変じゃない?と言われますが、むしろその多様性や変化を楽しんでいますね。不動産業をやっているだけではわからない、全く新しい刺激や経験に触れられる。それが多角的な経営を行う企業ならではの醍醐味だと感じています。

代表の藤澤(マーク)は感性で動くタイプで、パッとひらめいた面白そうなことを実行するまでのアクションがとにかく速い。その“スピード感”がそのまま会社の強みにもなっています。
変化や新しいトライを好む社風なので、スタッフもその変化を楽しみながらチャレンジできる人が集まっている。強制的ではなく、自主的にやるべきことを考えられるメンバーに恵まれていると思います。
社員教育はどのようになっていますか?
良い仕組みや優れた商品があっても、それを支えてくれるいいスタッフがいなければ、会社は絶対にうまくいきません。会社の基本として教育には力を入れています。

日常の業務内での教育はもちろんですが、マークや私も講師として研修を行いますし、必要に応じて勉強会を積極的に仕掛けてくれるメンバーも多くいます。

またアートアベニューやオーナーズエージェントは講師依頼の業務を受けているので、若いメンバーもお客様先で講師などを務める機会が多い。
教える側になると自分の知識を再確認し整理できるため、その経験は各人の成長にものすごく寄与しています。プレゼンテーションが上手いメンバーのスキルを常に目の当たりにできるのもうちの強み。

そうして知識やスキルを身につけたメンバーが今度は社内で教える…という良い循環が生まれています。社内でも高いレベルの知識を学べる自負はありますが、外部のセミナーや研修への参加も積極的に支援しています。
私も昔、講師をやるにあたり1週間程度のプログラムを受講し、本当に良い経験になりました。学びたいと前向きに手を挙げる人がいれば、できる限り後押しをしたいと考えています。
先原さんがこの会社に長くいる理由は?
入社から約20年が経ちますが、転職や独立を考えたことはありません。

大きな理由の一つが、会社が常に新しいことに挑戦し続けていること。私はわからないことを調べて知識が増え、自分がアップデートできることに達成感を感じますし、新しい出会いや経験にワクワクするタイプ。
会社が常に良い方向に変わろうとしたり、何かを始めようとしたりしているので、その準備として常に新しいことを大量に学べることが面白いんです。

もう一つの理由は、社内に『努力がすごい』『深い知識を持っている』と純粋に尊敬できる人間がいるからですね。仕事内容がそれなりに充実していても、周りに刺激を受けられる人がいなければ、働いていてもつまらない。
よく若いスタッフにも言うのですが、魅力的な人材に近い環境で働く1年は、そうでない環境の3~4年分にも相当する濃い知識と経験を得られると感じています。
また、私は入社5年目でCPM®を受講し、改めて賃貸管理が手掛けられる資産管理のスケールの大きさや深みを理解し世界が大きく広がりました。

受講から約15年経った今はCPM®の認定元であるIREMの会長職として、日本での不動産投資に対する判断指標の整備が進むよう、国土交通省など国の機関に働きかける活動をしています。

IREMでは研修の講師も担当しておりかなりの時間がとられるため、他の会社だったら「やめろ」と言われていたかもしれません。
活動の価値を認めてくれ、やってみろと言ってくれる会社の懐の深さにも、本当に有難いものを感じています。
人事総務として取り組んでいることは?
2021年4月からフレックスタイム制をスタートし、テレワークも本格的に導入しました。スタッフにも新しい働き方が浸透し、うまく活用してくれている感触があります。

うちの会社には昔から『いい人材にいい仕事をしてもらうためには、オンとオフの切り替えがしっかりできる働きやすい会社でなくてはならない』という考え方があって、私も強く共感していました。
もともと完全週休2日制など働きやすい体制を敷いていましたが、コロナ禍を契機に、さらに進化した働き方を具体化できた形です。

自分の意志で働く場所を選べたり、スケジュールを組み立てたりして自由に働くことができれば、仕事はもっと楽しくなると思います。
ただ自由である分、生産性の管理は必要ですね。営業部門は成果が数値に現れますが、それ以外の部門は日々の業務が見えにくい。頑張りをしっかりと評価できるような指標の検討を続けていきます。

また、最近ではテレワーク限定のコールセンタースタッフを4名、すべて遠隔勤務で採用しました。地方に雇用の機会を作れるという意義がありますし、スキルがあってモチベーションも高い人たちに仲間に入ってもらえるのは嬉しいことです。

これからも多様性を認めながら、いろいろな条件の人たちが無理なく一緒に働けるような環境づくりをしていきたいですね。
人を活かすための、今後の取り組みは?
今の制度をもっと進化させ、スタッフ一人ひとりに合わせた教育プログラムを導入できないかと考えています。

個々人のビジョンに会社の期待を総合して『3年以内にこの資格取得に向けて頑張ろう』とか、『こんなセミナーを受けると役立つ』など、キャリアパスのガイドラインになるような提案ができれば面白いなと。
自分で目標を立てられる人もいますが、何から手を付けていいかわからない…という人の方が多いと思うんですね。
『将来も継続していい仕事をしたい』『出産後も仕事復帰して活躍したい』など、社員が目指すキャリアに合わせて指針を示すことができれば、若いうちから計画的な学びができ、成長につなげてもらえるのではないかと思います。

それからもう一つ、スタッフの持っているスキルを可視化したいというのがありますね。
仕事上のスキルはもちろんですが、うちのスタッフには趣味を楽しむ人が多く、「歌がうまい」「ワインに詳しい」「英語が堪能」など、さまざまな素晴らしい長所を持っています。
そういった長所を知っていれば、機会があった時にその人が輝ける場を提供できる可能性が増える。新しいことをやる時に『誰がチームにいたら楽しくやってもらえるか』とプロジェクトメンバーを決める場合にも役立ちそうです。個性を活かせる場をたくさん作ってあげたいですね。

ただ、スタッフにもいろいろな考え方があると思いますので、意思を尊重しながら進めていきたいと考えています。
メンバーにどんなことを期待していますか?
何か事業を始める時にはたいてい不動産という「箱」が必要になるので、賃貸物件を扱っていると新しいチャンスをもらう機会が多いにあります。

例えば今やっている飲食業も、もとは空いた物件の活用を相談され、中の運営までやってしまおうという決断から始まったもの。
不動産を根っこに、そこから広がる枝葉の部分まで自分たちがやるという選択肢を持てば、事業ビジョンは限りなく広がっていきます。一見不動産と関係がなくても、活躍できる場面が突然生まれる可能性があるんですね。

だから『私はこういうのが得意で、こうすればうまくいくと思うので、やりたいです』ということがあれば、どんどん手を挙げてほしいですね。仕事をする上では、やっぱり「当事者感」が大事。
多少のプレッシャーは生まれると思いますが、うまくいけばその分達成感が大きい。自分で考える、頭を使うことを意識していけば、絶対に仕事は楽しくなっていきます。

人生の中でも仕事に携わっている時間はとても長いのですから、楽しくなかったら続かない。私たちと一緒に、仕事の中にぜひ面白さや楽しさを見出していってほしいと思います。
これからの会社の方向性は?
不動産業界の多様化に対応していくことですね。管理業も2021年6月に初めて「賃貸住宅管理業法」が施行され、ようやく足元が固まってきました。

これからの管理会社は、例えば「古い物件の再生をさせたら圧倒的に強い」など、何らかの特徴や得意分野を持つべき時代になる。アートアベニューはもともと個性のある管理会社なので、その特徴をさらに強めていきたいです。 資産コンサルティングや相続設計など、オーナー様の人生に深く関わるような仕事にどんどん入っていきたい。

また長期的には海外とのやり取りも視野に入ってくるかもしれません。日本ならではのきめ細かい管理業務は海外からも高く評価されているので、その強みを輸出することもできるでしょうし、海外に拠点を置いて海外不動産の管理や売買を行ったり、日本の不動産を買える海外拠点として機能させたりという可能性もある。

国内にこだわらずステージを世界に広げれば、もっといろいろなことができるはずです。

先原さんのFUN ANDは…